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漢方治療を行っている診療科とは

漢方治療を行っている診療科とは

「漢方外来」

病院では西洋医学を用いた治療が一般的です。しかし、近年は漢方を専門に研修した医師が治療にあたる「漢方外来」を併設しているところも増えてきています。漢方外来はクリニックを中心に総合病院や大学病院などに設置されています。

漢方が向かない疾患もある

緊急処置や手術が必要な病気には西洋医学の方が向いています。例えば、癌などの悪性腫瘍を取り除く手術が必要な場合、急性心筋梗塞、吐血・下血、意識不明の状態、大ケガをしている場合などです。この場合はすぐに効果が見込める西洋医学の治療を優先しますが、それ以外の場合は漢方薬による治療でも高い効果が期待できます。
例えば、高血圧や糖尿病、慢性腎炎、慢性肝炎といった慢性的な病気や加齢に伴う症状、気力・体力の低下、アレルギー疾患、月経不順や心身症、神経症、痛みやこり、冷え症など体質による身体の不調などに有効です。また、最近は現代医薬品の副作用を緩和するために漢方薬が積極的に用いられています。
漢方が得意とするのは、病院などで行う西洋医学の検査では原因を特定することはできないが自覚症状が続く場合や西洋医学で処方される治療薬が服薬できない場合です。上記で紹介した癌の場合、有効なのは西洋医学の治療法ですが、その副作用対策や食欲・体力の回復には漢方薬が役立ちます。また、最近は低気圧で頭痛が起こる気象病に悩まされる人も多いのですが、漢方薬がよく効くとして多くの人が漢方外来を訪れています。

産婦人科でも漢方治療が普及

妊娠中は胎児にどのような影響が出るかわかりません。リスクを抑えるため医師も最低限の薬しか処方しませんが、便秘やつわり、貧血やむくみ、高血圧などの妊娠中に起こりやすいトラブルもあります。それらは自律神経機能に影響を受けることで発症しやすいのですが、その症状を抑えるために漢方薬を処方することがあります。
また、更年期障害、月経異常や月経困難症、不妊症にも漢方薬が有効だとして処方する産婦人科が増えています。

小児科でも漢方治療を行っている

子どもは身体が小さい分、症状の変化も早くなります。臨機応変に対応していかなければなりませんが、西洋医学の治療では病の進行に合せて薬を使い分けることはないため、漢方を取り入れている小児科もあります。
子どもは体内水分量の割合が高く、大人に比べて水代謝の影響を簡単に受けます。多飲による水肥りや水滞、熱中症や発汗過多による脱水症を生じやすいため、水分の調整や管理が重要ですが、その際に役立つのが漢方です。これまで子どもにはあまり漢方薬を処方していませんでしたが、西洋医学の治療と併用することで高い効果が期待できるとして関心を持つ小児科医が増えています。